浪曲の主な演題

天保水滸伝

二代目玉川勝太郎が有名、三代目勝太郎ほか玉川一門が演じる

「利根の川風たもとに入れて、月に竿さす高瀬舟、一目関の戸叩くは川の、水にせかれる水鶏鳥、恋の八月大利根月夜、佐原囃子の音も冴えわたり、葭の葉末に露置くころは、呼ぶや蛍のそこかしこ、潮来あやめの懐かしさ、わたしゃ九十九里荒浜育ち、と云うて鰯の子ではない」

田端義男や三波晴夫の歌でも有名、侠客笹川の繁蔵や酒乱の剣豪平手神酒が活躍する。

 

 

清水次郎長伝

二代目廣澤虎造であまりにも有名、演目はたくさんあるが、森の石松が登場する話が特に有名

「旅行けば、駿河の道に茶の香り、名代なるかな東海道、名所古蹟の多いところ、中に知られる羽衣の、松と並んでその名を残す、海道一の親分は、清水港の次郎長の、あまた身内のある中で、四天王の一人で、乱暴者と異名をとる、遠州森の石松の、苦心談のお粗末を、悪声ながらもつとめましょう。」

 

【森の石松三十石道中から】

石 松 「・・・・次郎長てぇのはそんなに偉いかい」

江戸っ子「・・・ばくち打ちの数ある中に次郎長くらい偉い人が、二人とあ

     ってたまるかい」

石 松 「飲みねえ、サ、寿司を食いねぇ、江戸っ子だってねぇ」

江戸っ子「神田の生れよ」

石 松 「そうだってねえぇ、そんなに何かい、次郎長は偉いかい」

江戸っ子「だがお前さんの前だが、次郎長だけが偉いんじゃない、ものごと

     出世するには相談相手番頭役が肝心さ」

     ・・・・・・・・・・・・・・・・・

石 松 「誰だい、その次郎長の話し相手ってぇのは・・・」

江戸っ子「子分だよ」

石 松 「え・・・」

江戸っ子「子分、いい子分がいるぜ、次郎長には・・・」

石 松 「飲みねぇ、飲みねぇ、寿司を食いねぇ、寿司を・・・・・もっと

     こっちへ寄んねぇ、江戸っ子だってねぇ」

江戸っ子「神田の生れよ」

石 松 「そうだってねぇ、そんなに何かい次郎長にはいい子分がいるか

     い」

江戸っ子「いるかいどころの騒ぎじゃないよ、千人近く子分がいる、その中

     に・・・・・・・・これをとなえて清水の二十八人衆、この二十

     八人衆の中に次郎長くらい偉いのがまだ五、六人いるからね」

 

すっかりいい気持になった石松、自分の名前がいつ出るか期待するが・・・・・・

 

 

 

壺坂霊験記

浪花亭綾太郎が演じて有名、歌謡曲にもなっている

「妻は夫をいたわりつ、夫は妻を慕いつつ、ころは六月中の頃、夏とはいえど片田舎、木立ちの森もいと涼し、小田の早苗の青々と蛙の鳴く声ここかしこ、聞くも涙の夫婦連れ、ようよう上る壺坂の山、その夜に限り雲気一点あるでなし、名月や浅黄に銀の一つ紋、置いたるごとく射し込みし、葉越しの月を拝みつつ、足曳山の狼谷」

 

 

赤穂義士伝

非常に多くの演目があり、桃中軒雲右衛門、吉田奈良丸はじめほとんどの浪曲師が演じています。本伝、銘々伝、外伝合わせれば無数にあります。有名なものだけでも上げきれないくらいです。

 

主な演目】

 

殿中刃傷(松の廊下で浅野内匠頭が吉良上野介に切りつける)

田村邸の決別(浅野内匠頭が辞世を詠んで切腹する)

南部坂雪の別れ(討ち入り前夜大石が内匠頭未亡人を訪ねる)

神埼与五郎東下り(討ち入りのため江戸へ下る神崎が馬子に絡まれ)

村上喜剣(京の祇園で遊ぶ大石に悪口雑言、無礼を働く村上)

大石山鹿護送(山鹿素行を無事に護送する若き日の大石)

天野屋利兵衛(義士の武器を調達した天野屋が拷問を受けて)

中山安兵衛(高田の馬場で仇討、堀部弥兵衛の養子となる)

赤垣源蔵徳利の別れ(討ち入り前に兄に別れを告げようと訪ねるが)

 

まだまだいくらでもあります。